( 2010.06.03 )

 


 ある朝日新聞社員が自嘲気味に苦笑する。
「やっぱりわが社は口だけということですね。 理想論ばかりで実態が伴わない」
 発端は4月14日に遡る。 この日、中国青海省を襲ったM7.1の大地震で、死者は2千人を超えた。 日本でも援助の動きは早く、朝日新聞も、
〈 中国青海省地震に長岡市が義援金50万円 「同じ被災地」 〉( 4月17日 )
〈 中国・青海地震に見舞金100万円 大阪市 〉 ( 4月18日 )
〈 北九州の全市議が青海地震に見舞金 中国総領事館へ61万円 〉( 5月1日 )
 と詳報している。 夕刊コラム 「素粒子」 では、沿海部と貧富の差が開く一方の内陸部での地震をこう嘆いた。
〈 最近なぜか、貧しい地域を襲いがちな震災。 中国の青海省で地震。 自然の無慈悲さと、それを拡大しがちな社会のゆがみ 〉
 ほかにも、派遣社員の男性が 「持ち物を売って募金をした」 との話を投書欄 「声」 で紹介

 ところが、 「紙面とは裏腹な意識の低さを如実に示してしまった」 ( 同前 )と社員の間で囁かれた “事件” が、朝日新聞東京本社8階にあるローソンで起きていた。

 コンビニ大手のローソンでは、全国の店舗で4月17日から30日までの2週間、青海地震への募金活動を行っていた。 入構証がないと入れない朝日本社8階のローソンはいわば 「社員専用店」 で、そこでもレジ前2ヵ所に募金箱が設置されていた。

 期間が終了した今、募金箱にはこんな紙が貼られている。
〈 当店の 「中国青海省地震」 救援募金は 1,821円 です。 ご協力ありがとうございました 〉
 1,821円 …… 2週間で映画1本分かよ! もちろん多寡の判断はそれぞれだが、
「ボーナスは2年前から減ってはいますけど、給料は世間から見れば恵まれていて、記者職なら30歳で年収1千万円に届きます」 ( 別の社員 )
 という話を聞けば 「なんだかなぁ~」 という気持ちにもなろうというもの。

 ローソンのホームページで発表している青海省地震の募金額を実施店舗数で割ると、平均で1894円。 朝日本社のローソンは、平均を下回るお寒い結果だった。

 「結局、意識も平均以下ってことですかね ……」 ( 同前 )