( 2003.01.01 )



 日経新聞の元日号は、 毎年一面トップにその一年をつらぬく編集テーマによる特集を掲載しているが、 今年はなんと 「日本病を断つ」 と称して、 自虐的きわまりない 「日本ダメだ論」 を展開しようとしているようだ。 いわく、 「世界が学ぶ反面教師」 「根深い病根活力そぐ」 などと、 いかに日本がひどい国であるかを主張する言葉がならべられており、 読んでいて新年早々気分が悪くなってしまった。

 しかし、 ちょっと読み進むと、 例によって日経お得意の独善と偏向が見えてくる。 日経はなにごとも 「構造問題」 であり 「構造改革」 が必要であるという。 今日の大見出しは 「改革 論より実行」 ときたものだ。 日経は自らの所論が正しいと主張し、 それを実行せよと訴える。 ところが、 実際には日経の所論はおよそ正しいとも思われず、 世論の支持を集めているともいえない。 そこで、 なにがなんでも自説を貫くべく、 よりセンセーショナルな 「日本ダメだ論」 に打って出たのだろう。

 とはいえ、 単純に考えて、 今の日本の実態が、 それほどひどい国のものだろうか。 日経新聞が自ら書いているように、 バブル期にくらべて土地の時価総額は800億円近く減って3分の2以下になり、 東証1部は350億円以上減って半分以下になっている。 これだけの異常なダメージを受けたあとには、 どうしても思うようにならないことが多くなる。 要するに、 景気が悪いから、 という問題も多いのであって、 すべてが構造問題ではなかろう。 むしろ、 わが国が依然として大きな社会的混乱を招いていないことは、 日本経済・社会の構造の持つ強さを示していると考えるべきではないか。

 たしかに、 日本にもさまざまな構造的な問題点はある。 それに対する対策がとられない現実も多々見られるに違いない。 とはいえ、 日本の悪いところや失敗事例ばかりを並べ立てて、 「日本ダメだ論」 を展開することは、 少なくともナンセンスだろうし、 すべて構造問題だと主張することはミスリーディングでもある。

 独善と偏向も、 ここまでくれば病気である。 「日本病」 ならぬ 「日経病」 だ。 なにしろ年間の編集テーマがこれなのだ。 今年は例年以上に日経ネタが多い一年になるだろう。