( 2009.08.12 )

  

 自治相などを務めた元衆院議員の田川誠一氏が7日、老衰のため91歳で死去し、きょう12日、葬儀が営まれました。 メディアは元新自由クラブ代表として訃報を伝えましたが、 元朝日新聞記者である田川氏が政界進出後に中国報道の偏向に深くかかわった ことは誰も触れていません。

 元毎日新聞編集主幹の三好修氏が昭和47年に 「経済往来」 誌に発表して話題を呼んだ 「新聞はこうして北京に屈服した」 を基に振り返ります。

 1964( 昭和39 )年4月、日本と中国は記者交換協定を結びました。 当時、日中には、責任者の廖承志氏( 中国共産党の対日工作の責任者 )と高碕達之助氏( 元通産相 )のイニシアルを取った 「LT貿易」 と呼ばれる民間貿易協定が存在していました。 日本と北京政府は国交がなかったので、記者交換協定の窓口となったのは廖氏と高碕氏の事務所でした。 松村謙三、古井喜実氏ら親中派の自民党衆院議員も関与しました。 日本新聞協会は政治や経済の枠組みの中で記者交換協定を結ぶことに難色を示しましたが、最終的には 「新聞の自由」 は守られると判断して受諾。 この協定に基づいて、朝日、毎日、読売、産経、日経、西日本、共同、NHK、TBS( 後に日本テレビ )の9社の記者が北京に常駐しました。

 67年9月、北京政府は毎日の江頭数馬、産経の柴田穂、西日本の田中光雄の3記者に国外退去を通告しました。 理由は 「中国側の厳正な警告を無視し、マンガやニュースを載せて中国の文化革命を中傷した。 甚だしきに至っては、ホコ先を全世界人民の指導者、心の中の赤い赤い太陽、最も敬愛する毛主席に向けていることは絶対に許せない」 というものでした( 産経は以後31年間、北京に支局を置きませんでした )。 翌月には読売の記者が追放され、帰国中だった日本テレビの記者も再入国を拒否されました( 9社から4社に )。

 68年3月に古井氏、田川誠一氏らが訪中して中国側と会談。 LT貿易は 「覚書貿易」 ( MT貿易 )に名を改め、日中がコミュニケを発表したのですが、このときに日中記者交換協定も改定されます。 そこには 「会談コミュニケに示された原則を順守し」 という文言がありました。 原則とは 「政治3原則」 と 「政経不可分の原則」 です。 政治3原則とは
1.中国敵視政策を行わない
2.2つの中国をつくる陰謀に加わらない
3.日中国交正常化を妨げない
 の3つです。 つまり 北京政府に批判的な報道は行わない という内容です。

 古井、田川両氏は、新聞の自由にかかわるこの条件を呑みながら、日本新聞協会には一切秘密 にしました。

 帰国した田川氏は、北京政府のメッセンジャーとして、NHKと朝日新聞に対して 「北京は陳謝を要求している」 と伝えます。 北京が怒った理由は、NHKが台湾を取材して放映した番組の中で 「大陸反攻」 というスローガンが写ったというものでした。 朝日新聞はその番組をテレビ欄で紹介したという理由です。

 朝日新聞は即座に謝罪し、NHKは少し遅れて謝罪文を書きました。 その内容は 「心ならずも忌諱に触れるような画面が出たことを遺憾とし、陳謝します。 今後一層の注意を払います」 というものだったそうです。

 この年の6月、日経の鮫島敬治記者がスパイ容疑で逮捕され、11月には帰国中のNHK記者が再入国できず、70年9月には共同が追放。 翌71年1月に日経と西日本が再入国するまで、北京の日本人記者は朝日の秋岡家栄記者ただ1人という時期が3カ月間ありました。

 さて、田川氏らが結んだ秘密協定の存在は70( 昭和45 )年9月、長い中国暮らしを終えて帰国した親中派、西園寺公一氏によって明らかにされました。 「てっきり、古井、田川両氏が新聞界に説明していると思っていた」 というのです。

   「


 

  朝日新聞社













 


 [日中記者交換協定] とは、中国の意に沿わないことは報道できない、という協定

 「日本の新聞は嘘ばかり書いているから読まない」。
 かれこれ、10年ほど前に上海から日本に来ている中国人ジビネスマンに、こう言われたのです。

 東京に本社を置いている大マスコミの新聞社の記者は、そのときまではアメリカの支局やヨーロッパの支局に赴任することが夢でもあったはずですが、中国の爆発的な発展を確信してか、中国への赴任も悪くはないかもしれない、と想い始めた頃でしょう。

 彼らが中国の支局に赴任して、まずやることは、日本の商社の駐在員を尋ねて、地元の情報を仕入れることです。
 商社マンとマスコミの記者は、似たようなところがあり、常に情報収集にアンテナを張り巡らせています。

 大きく違う点は、商社マンは、金を使って独自の情報ルートを築き、自分のリスクによって巨額のビジネスを行うところが、マスコミの記者たちは、ほとんどリスクを冒さず、ガセ記事を書いても、突き出し広告程度のスペースで謝罪文を出して終わり。

 商社マンが同じ失敗を犯したら、すぐに左遷させられるか、「腹を切らされる」かするでしょう。
 ですから、新聞記者は日本の商社マンの精度の高い情報が喉から手が出るほど欲しいのです。

 まず、「日本の新聞が嘘ばかり書いている」というのは言いすぎだとしても、「他の先進国の新聞に比べて嘘を書くことが多い」というのは事実です。

 日本の企業は、確かに世界最先端を走っているかもしれませんが、日本のマスコミは、残念なことに発展途上国未満の三流以下です。

 それならと、原本を読んで、自分の持っている情報や経験と照らし合わせて、その記事を自分なりに批評すれば、ガセに翻弄されることも少なくなるのですが、日本人は英語がスラスラ読めたとしても、英字新聞(つまり、ソースの大元)は読まないのです。

 これは、ソフトブレーン創業者の宋文洲氏のツイートですが、多くの日本人が、同じことを感じているでしょう。

 せめて、英語圏の国に赴任した記者は、その国の言語で思考し、いったんは、その国の文化を通して取材する必要があるのですが、これが、ほとんどの記者ができない。

 とりわけ、中国となると、どういうわけか記者たちの筆致は鈍るのです。

 その理由は、日中間の政治レベルで、日中記者交換協定 という中国に一方的に有利な報道協定を結んでしまったせいで、記者の取材活動や執筆活動が大幅に制限されているため、誤報や意図的錯誤の多い記事となってしまうのです。

 日中のマスコミの間では、すでに独自に協定が話し合われていたにも関わらず、自民党が横から割って入ってきて、日本のマスコミに圧倒的に不利な協定を結んでしまったのです。

 さて、日中記者交換協定とは何か。 この動画が説明してくれています。

石原慎太郎東京都知事 定例記者会意見 2012年8月31日


13:05~
石原都知事:ちょっとその前にNTV? …日本テレビ…。
あぁ、この間ね、あなたの所の記者が突然1社だけやってきた。
それで、どういうニュースソースか知らないけど、中国側がね、 「( 日本の )政府が( 尖閣諸島を )買った上で、何もしない、何も作らない、人も置かない、と言うんだったら、我々( 中国側は )は尖閣についてこれ以上口出ししない、と言ったのですが、どう思いますか?」 って言うから…、これ、初めて聞いたニュースだし、ショックを受けました。
それをもし支那の政府が言ってきたとしたら、まさに内政干渉だしね、他国が持っている領土の中に何を作ろうが勝手な話だけど、それをしないなら許してやる、みたいな話だ。
どういうニュースソースなの、あれ? あなたのところ( 日本テレビ )は報道したんでしょ?
日本テレビの女性記者:むにゃむにゃ…
石原都知事:いや、男の記者だった。 同じ局で、わからないの、そういうこと。 このニュースだけで他には出ないね。
出ないとしたらガセか。
中国メディアの記者:中国のほうも出ましたよ。 中国のほうも出ました。
中国政府は要するに3つの要求を出して、それであれば( 日本側が、3つの要求を守れば )日本の実際の管理されるのには口を出さないという趣旨のニュースを観まして…。( 日本語がうまく話せない。 でも忠実に文字起こし )
石原都知事:ねぇ、おかしな話だね。
あぁ、そうですか、向こうのニュースでは、それ出てるんですか。
中国メディアの記者:おとといかな。
石原都知事:なんでね、日本のもっとも大きなメディアは報道しないのかね。
中国メディアの記者:それと、質問したいんですけれど、今回の尖閣問題もそうですけれど、日本のマスメディアの中国に関する放送は、うわべの一部しか報道しないんですね。
たとえば、先週、記事いったのは、蟻族とか、いろいろ問題で譲歩する人とか、あの、臓器狩りとか、そういう問題は( 日本のメディアは )ほとんど取り上げていないんですね。
どうしても中国政府の都合のいいように報道していると私たちは見ていますけれど…。
臓器狩り( 中国の体制から見て )反中国共産党の人間や、法輪功の学習者などを麻酔もなしに生体解剖して臓器を取り出し、それを売って金を得る、という中国共産党幹部が関与している組織的な闇ビジネス。 今までは都市伝説的な扱いを受けていた時期があったが、事実、これが中国共産党の関与によって結構な規模で行われている )
     ・米議会報告書、法輪功弾圧と臓器狩り問題を取り上げる
     ・中国の臓器狩り 106名米議員、米政府に情報公開を要請
石原都知事:日本のメディアがね、向こうの政府の都合の悪いことを報道しないっていうのはおかしな話でね…。
中国メディアの記者:それで日中記者交換協定がありまして、それは前の衆議院の田川誠一が、著書でそういう過程を書きまして、その協定で日本のマスメディアがずっと縛られているんじゃないかなと思っていますけど、知事は、それをどう思いますか?
石原都知事:それ、田川誠一が決めたの?
中国メディアの記者:そうですね、田川誠一さんと、あと何人かが北京で決めた。
こういう本の中に、国会図書館の中にその本があって、そのいきさつが書いていまして、田川誠一さんの著書( 日中交渉秘録 )の中にもそういうことが書かれてありまして…。
石原都知事:どういう約束をしたんですか?
中国メディアの記者:約束はね、だいたい3つの原則。
ひとつは、日本政府は中国政府を敵視してはならない。 米国に追随して、 「二つの中国( ※中国(中華人民共和国)は、台湾(中華民国)を自国の領土であると主張しているが、アメリカはそれを認めていないし、台湾の一朝有事の際には防衛することになっている )」 に同意しない。
石原都知事:それは台湾のことだね。
中国メディアの記者:そうです。
日中関係が正常化の方向に発展させるのを妨げない、という趣旨ですよ。
日本のマスメディアは、たとえば中国で何か起きたら、中国政府が一方的に、法律を脱したら邪道だと、たとえば、ウィグル族のことだったら暴動とかね、そういう報道がけっこうありまして、そういう( 日本のマスコミの )現状については、おかしいかなと思いますけれど、日本はアジアでいちばん歴史が長い民主主義の国家ですよね。 どうして( 中国の )独裁政権に対して、こんな態度を取るのは不思議です。
補足説明:分かりやすい日本語に直すと、こういう意味です。
中国で事件が起きると、中国共産党の広報官が発表したとおりに日本のマスメディアが報道するのは、なぜか。
中国の法律を犯したと中国の報道官が言っている人は、中国の一党独裁に抗議したまでで、同じく、報道官がウィグル族の暴動と言っているのは、中国共産党の圧政が及ぶことに抵抗しているだけなのに、なぜ、そんな独裁政権の言ったことをそのまま記事にしているのか。
日本はアジアでもっとも成熟した民主主義国家ではないのか」。
このように、中国人の記者は石原都知事に質問しています!
石原都知事:それは日本政府全体というより、田川誠一というのは河野一郎の親族でね、河野洋平君のおじさんになるのかな。
あの2人の中国に対する言動については、私は許せないことがたくさんありますね。





 


 この石原都知事に質問した中国人記者が言っていることと同じことを、進歩的な中国人数人から聞きました。
 その一人は、天安門事件のときに日本に逃れてきた高名な中国人医師でした。
 彼らは、 「なぜ、日本人は中国情報を疑わないのか」 と一様に言うのです。

  日中記者交換協定によって、いかに日本のメディアが中国共産党にコントロールされてきたことか。

 これは、その日中記者交換協定の概要です。
日中記者交換協定について

1968年(昭和43年)3月6日、 「日中覚書貿易会談コミュニケ」 ( 日本日中覚書貿易事務所代表・中国中日備忘録貿易弁事処代表の会談コミュニケ )が発表され、LT貿易に替わり覚書貿易が制度化された。

この会談は、同年2月8日から3月6日までの間、松村謙三が派遣した日本日中覚書貿易事務所代表の古井喜実、岡崎嘉平太、田川誠一と中国中日備忘録貿易弁事処代表の劉希文、王暁雲、孫平化により、北京で行われた。

「政治三原則」 とは次のような内容である。すなわち、
  1. 日本政府は中国を敵視してはならない
  2. 米国に追随して 「二つの中国」 をつくる陰謀を弄しない
  3. 中日両国関係が正常化の方向に発展するのを妨げない
の3点の遵守が取り決められた。
この政治三原則と政経不可分の原則に基づいて日中記者交換を維持しようとするもので、当時、日本新聞協会と中国新聞工作者協会との間で交渉が進められているにも関わらず、対中関係を改善しようとする政府・自民党によって頭ごしに決められたという側面がある。

日本側は、記者を北京に派遣するにあたって、中国の意に反する報道を行わないことを約束したものであり、当時、北京に常駐記者をおいていた朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、NHKなどや、今後北京に常駐を希望する報道各社にもこの文書を承認することが要求された。

以上の条文を厳守しない場合は中国に支社を置き記者を常駐させることを禁じられた。
 この協定は、 「日本側は、記者を北京に派遣するにあたって、中国の意に反する報道を行わないことを約束した」 ことを日本に守らせるというものです。

 とりもなおさず、自民党が日本のメディアを中国共産党のコントロール下に置くことを了承した協定です。

 中国共産党の中国国民に対する残虐な行為は、ネットでしか知ることができません。
 天安門事件のとき、中国の若者が戦車の前に立ちはだかって進行を阻止した写真が世界中に出回りました。

 中国の民主化を求める若者の勇気を象徴している写真だとして、多くの人々を感動させました。
 しかし、別のサイトには、戦車のキャタピラによって、まるでスルメのようにペシャンコに押しつぶされた何十人もの中国の若者の遺体が道路上に無造作に散らばっている画像が見つかります。

 そして、この車でペタンコに轢き回すという残酷な行為は、今でも行なわれているのです。

 「日中記者交換協定」 で画像検索してみてください。 今まで、私たちの目に触れなかった記事がたくさん出てきます。
( 一部、ショッキングな画像があるのでご注意ください )

 石原都知事に質問した中国人の女性記者は、 「一党独裁の中国共産党に対して、日本のメディアがなぜ特別扱いするのか理解に苦しむ」 と言っているのです。

 進歩的で民主化を求めている中国メディア( 大紀元などの西側に活動のネットワークを広げている中国メディアと思われる )にとって、中国共産党のプロパガンダに成り下がった日本のメディアこそが、中国の人々を間接的に苦しめていることになるのです。

 2008年の北京オリンピックのとき、日本での聖火リレースタート地点が長野県善光寺境内に予定されていましたが、僧侶たちのチベット問題に対する静かな抗議の証として、境内の外にスタート地点を移すよう聖火リレー実行委員会に要請しました。

 この要請を受けて境内の外に決まったと同時に、中国の若者たちが善光寺にスプレーやペンキで下品な落書きをしたのです。
 また、日本人が中国人の聖火リレー応援団から暴行を受けて負傷する、という事件も起こりました。

 こうした乱暴を働いたのは、ほとんどが中国人留学生でした。これが中国人の悲しい民度の低さです。
 というのは、学生たちも日本にいながらにして中国公安に監視されているので、特に日本人に悪意は抱いていなくても、こうしたときは、反日を装わなければならないのです。

 当時の首相、福田康夫は、「中国人が乱暴を働いても逮捕するな。 日本人は逮捕していい」 と警察に指示したのです。

 聖火リレーのコース沿道で警護に当たっていた日本の警察官は、このとき悔し涙を流したのです。 「なぜ犯罪を犯す中国人を逮捕することができずに、同じ日本人のほうを逮捕しなければならないのか」 と。

 今日も日本の在中メディアは、北京や上海の支局を追い出されないかと、戦々恐々と記事を書いているのです。

 この協定を破棄し、日本のマスメディアの中国報道の正常化を図らなければ、真の日中国交正常化などありえません。

 「貧すれば鈍する」 がことく、中国の経済成長が止まれば、再び、その怒りの矛先が日本に向くように中国共産党は人民を操作するでしょう。
 中国共産党の愚民化政策は、大いに成果を上げているのです。

 自民党は、なんという協定を結んでしまったのか。
 後先考えないとは、このことです。

 外務省のチャイナ・スクールが、日本を中国に切り売りしてきた。

 長年、燻り続ける尖閣問題についても、中国はしっかりと布石を打っています。

 中国は、小渕恵三が外務大臣のときに、日中両国の 排他的経済水域( EEZ )におけるルールを定めた 「漁業に関する日本国と中華人民共和国との間の協定」 を結びました。

 この長い名前の協定は、一般に日中漁業協定と呼ばれているもので、すでに国民に名前だけは周知となっている協定。
 1997年11月11日、東京で署名され、1998年4月30日、国会で承認され、2000年6月1日から発効になりました。

 

 2010年9月7日、尖閣諸島沖で、中国漁船が海上保安庁の巡視船2隻に体当たりする事件が起こりました。

 これは、誰が見ても中国側に非がある行為ですから、中国漁船の船長と乗組員を日本に拘留すべきだったのですが、あろうことか、13日に船長以外の船員を全員、中国に帰国させ、中国漁船も中国側に返還してしまったのです。

 そして、残る船長も那覇地方検察庁が 「船長の行為に計画性が認められない」 として、処分保留で釈放してしまいました。

 その後、第11管区海上保安本部が、この中国人船長に巡視船を破損させたペナルティとして、損害賠償請求を行ったのですが、中国側に一蹴されました。

 以後の中国側の日本に対する報復措置は、レアアース禁輸、フジタ社員拘束と続き、日本の政府は、あらためて潜在的なチャイナリスクがこれほど大きなものだったことを認識したのです。

 被害を受けた側が、加害国の中国に、なぜこれほどまでに弱腰になるのか。
 民主党の弱腰外交と、仙谷の中国との密約を日本のマスコミは疑いだしました。

 しかし、本当の原因は、もっと時を遡ってみないと分かりません。

 自民党が中国と2度にわたって約束したことが、今日の尖閣問題を紛争化させている

 さて、この事件の顛末が、実は本格的な尖閣 「紛争」 の序章に過ぎなかったことが分かったのは、大分、後になってからでした。

 この日中漁業協定-正式名称 「漁業に関する日本国と中華人民共和国との間の協定」 の中身を詳しく読むと、そのカラクリが分かります。

 左は第六条と中国語原文をつなぎ合わせたものです。
 この 条文の347ページ を見てください。
(b) 「北緯27度以南の東海の協定水域及び東海より南の東経135度30分以西の水域( 南海における中華人民共和国の排他的経済水域を除く。 )」 と書かれてあります。

 日中間で、経済水域のルールを決めたものの、 「北緯27度以南~東経135度30分以西の水域」 は、ルールも何も決めないでおきましょうよ、と規定からはずしてあるのです。

 この水域こそ、尖閣諸島周辺の海域なのです。

 中国側は、尖閣問題を棚上げにする風を装って、 「中国漁船がこの海域に入り込んでも、日本の法律を適用しないように」 釘を刺したのです。

 つまり、中国の軍艦でなければ、中国漁船が何隻入り込もうと、 「日本の海上保安庁の巡視船が漁船を拿捕する法的な根拠はありませんよ」 と日本側に迫っているのです。

 日本側の立場は、 「尖閣に領土問題は存在しない」 ですから、中国船が入ってこようと、領海侵犯の事実は発生するものの、両国間の問題には発展しないだろう、という目論見があったはずです。

 しかし、ジャブを打ち続けるように、ひんぱんに中国漁船が領海侵犯を繰り返し、実質、軍艦である中国国家海洋局の海監船までもが尖閣周辺海域をうろつくようになると、日本側も尖閣を国有化しておこう、と考えるようになります。

 それが、ヘリテージ財団に唆された石原都知事のフライング・スタートとなったのです。 「今のうちに、尖閣を東京都が買っておけ」 と。
 やや、準備不足のままの見切り発車でした。

 だから、香港の 「保釣行動委員会」 の反日活動家が尖閣に上陸したときも、すぐに釈放せざるを得なかったのです。

 「この海域では日本の法律を適用しない」 と自民党と中国の間で約束してしまったのですから、香港の活動家を逮捕しても、これは形だけのことで、処罰できないのです。 だから、これまた、すぐに釈放。

 中国側は、2度の “実験” を繰り返して、日本側が手も足も出ないことが確認できたので、9月18日に、習近平が計画した 「中国漁船1000隻による尖閣周辺海域での抗議活動」 へ踏み出したのです。

 この計画は、アメリカ側の 「尖閣周辺海域を紛争地域にしてはならない」 という進言を受けて、直前で中国側が思いとどまったようで、実際には行われませんでした。

 つまり、自民党は、2度にわたって中国に嵌められたのです。
  【佐藤優の眼光紙背】1997年11月11日付の小渕書簡があるため日本政府は尖閣諸島周辺の中国漁船を取り締まることができない!

 なぜ外務省は、 「北緯27度以南~東経135度30分以西の水域」 の例外規定を設けるとき、 「尖閣周辺海域」 であることが分かるように明記しなかったかといえば、 「尖閣」 の文字を入れることによって、中国側を刺激したくなかったからでしょう。

 外務省の中にはチャイナ・スクールと言われるグループがあって、媚中外交を行うことによって、既得権益を確保しようという官僚たちがいることが知られています。

 チャイナ・スクールは官僚だけでなく、政治家にもいます。 田中角栄や大平正芳、さらには加藤紘一、田中真紀子らがそうです。
 田中真紀子に片想いしていた河野太郎の父・河野洋平も入れていいかもしれません。 あとは、宮澤喜一や福田康夫も入るでしょうか ……。

 このうちの何人かは中国のハニートラップに引っかかった口でしょう。


-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-



  姿



 16日朝、東京都築地に本社を置く朝日新聞社前に青い横断幕が掲げられ、往来する人々はこう書かれたチラシを受け取ると足を留めた。

 「日本法輪大法学会」 が配るチラシには、次のように記されていた。
「中国公安当局の情報を公平な立場から確認することもなく掲載し、迫害を与える側に立たれてしまった行為を懸念し、中国本土での実情を朝日新聞社の社員の方々に知っていただこうと、 15~19日の期間、朝日新聞社の前でビラを配ることに致しました」
 事の発端は、10月25日午後。 この日の朝日新聞夕刊一面( 都内版 )に掲載された記事の一つの段落にある。 同社中国特派員が、重慶市で起きた反日デモを現地から報道した記事だ。
「中国政府がデモに厳しい姿勢を取り始めた背景には、対日関係に改善の機運が出ていることに加え、深刻化する就職難や物価高騰などに不満を持つ市民が反日デモに乗じて抗議活動をし、反政府運動に発展することへの警戒があったという。 一部のデモには、中国政府が 『邪教』 と断じた気功集団の 『法輪功』 が関与しているとの情報が公安当局に入り、危機感が強まった」
 NPO法人日本法輪大法学会の鶴薗雅章代表は 「この日の夕方、知人から 『朝日がありえないことを書いている』 と電話が入った。 近くのコンビニに走り、朝日新聞を手にとって見ると、反日デモに関与するなどといった内容が書かれていたので驚いた」 と当時を振り返る。

 反日デモへの関与、邪教、公安当局の強まる危機感。 ネガティブな言葉が並ぶ記述に、 「中国で当局に弾圧を受けている法輪功学習者は、仲間と会うことさえも難しく、会えば 『秘密集会』 と断じられ、その場で逮捕されてしまう。 デモの参加などありえない話だ」 と鶴薗氏は続けた。

 法輪大法学会は記事発表の翌日、 記事訂正を求める文書と迫害事実を伝える資料を持参して、朝日新聞を訪ねた。 およそ2週間後、同社広報部より届いた返事には 「中国公安当局に入った情報を伝えた」 とあるのみで、同会の記事訂正要求には応じなかった。




 しかし、この返答に鶴薗代表は納得しない。 「中国政府が法輪功迫害のためにデマを流す可能性は排除できないはず。 日中間の対立感情が高まっている中で、日本人に与える法輪功のイメージを悪くさせたことは大きな問題です」 としている。

 中国公安当局に入った情報が、どのように朝日新聞に流れたのか。 記事を執筆した同社中国総局の峯村健司記者に、11月9日夕方、電話を入れた。

 「法輪功が迫害されていることは知っているか?」 の問いに、峯村氏は 「知っている」 と回答。 当局に入ったという法輪功デモ関与の情報源について尋ねると、 「取材のルートについては一切答えられない」 と述べた。 情報提供者の保護などを目的に、 記者は情報入手ルートを明かさない。 峯村氏の回答は一見、 筋が通った弁明に見受けられる。

 しかし、峯村氏は取材可能である日本の法輪功への取材を一切行っていない。 これについてジャーナリストで在米中国問題評論家の石蔵山氏は 「朝日新聞の今回の報道は、明らかに新聞の公正原則に反している」 と指摘する。 「新聞報道の基本は真実を伝えること。 現実社会は非常に複雑であるため、記者はなるべく公正でバランスがとれた報道を要求される。 この報道では、中国公安当局に入った情報として法輪功は反日デモに参加したとしているが、朝日新聞にとって、法輪功側からの事実確認や態度表明は簡単に入手できるのに、この程度の努力さえしていないことは、明らかに、公正の原則に反している」 と同社の報道姿勢を批判した。




 9月末から10月末までの反日デモについて報道した他の日本各社の記事には、朝日新聞の記事のような法輪功関連の情報は見られない。 日中間の溝が深まる中、中国公安当局が朝日記者だけに内部情報を開示したことは、何を意味するのだろうか。 石蔵山氏は次のように分析する。

 「中共当局は、国内の報道では一度も法輪功が反日デモに参加したとの情報を報道したことはなかった。 おそらく反日デモに、 『反腐敗、反一党独裁』 など当局が望まない状況が現れたため、治安責任の公安局にとって一番作りやすい口実である 『陰謀論』 を広めることを考えたのかもしれない。 法輪功に対して中国当局はすでに10年以上弾圧しているため、陰謀論を被せる最も良い対象だ。 しかもその真実性を、( 第三者は )確認もできなければ、否定もできない。 かつての政治迫害運動で、中共内部が一貫して用いた手法である。 ただし、朝日新聞がそれを 『内部筋情報』 として報道したということは、朝日に情報の真実性確認についての意識が欠損していないのであれば、一種の下心があるように思える」

 情報源の入手レートについて、いろいろな推測が浮かんでくる。 同氏の分析に沿って、朝日の今回の報道にいたる経緯を時系列にまとめると次のようになる。

 問題とされる朝日新聞の記事が発表される約一週間前、尖閣諸島問題の日中間密約に関して、同社の週刊誌 「AERA( アエラ )」 がスクープした。 これにより、中国当局が国民に見せた領土問題に対する強い姿勢は崩れ、中国当局は売国奴だという国民の反政府感情に火が付いた。 中国外務省の馬朝旭・報道官は記者会見を開き、AERAのスクープ記事について 「密約は存在しない」 「まったくのデマで、中傷と悪だくみだ」 と朝日新聞を厳しく批判した。

 そうした中国政府の批判を受けながらも、10月25日未明、朝日新聞は重慶市から 「共産党・政府への直接批判も 中国各地で反日デモ」 という記事を発信した。 中国西部の甘粛省蘭州と陝西省宝鶏で24日に行なわれた反日デモの中で、 「多党制を導入せよ」 「住宅が高すぎる」 といった横断幕も掲げられ、中国共産党・政府を直接批判する訴えが現れ始めたという内容であった。

 「人民日報・日本総支局の朝日新聞社が、こうした内容に関連して、大陸反日デモの実態を伝えている。 こんな報道をすると、同社は北京から厳しいお叱りを受けることだろう」 と、ある日本国内のブログ記事はコメントする。

 朝日新聞の同日未明の記事に続き、午後3時、同じ記者が重慶市から発信した反日デモ記事が同紙ネット版 「アサヒ・コム」 に掲載された。 2回目の記事には今回問題となった 「法輪功が関与」 の記述が追加された。

 つまり、朝日新聞の峯村記者は、同日未明に反日デモ記事を出した後まもなく、石蔵山氏の指摘した 「陰謀論」、つまり中共にとって有利な 「法輪功デモ関与」 情報を中国公安局関係筋から入手し、日本法輪大法学会に事実を確認することなく、同日の午後に流したことがうかがえる。

 重慶市の公安局は、法輪功迫害に加担したことで海外で起訴されている薄煕来市長の管轄下にある。 密約、反日デモ、共産党政権批判、そして今回のような朝日新聞の一連の報道は、中国当局の不満を招くと推測される。 一方、重慶市公安当局に入った秘密の情報は、一定のルートを通して朝日に流れている。 その裏に何があるのか。


姿

 法輪功問題に注目している弁護士の一人は、今回の朝日報道について 「ひどいと思う。 朝日新聞の上層部の法輪功に対する立場が分かった」 とコメントする。

 朝日新聞東京本社の社屋内に 「新華社」 の日本支局が置かれ、記者がかつて中国共産党機関紙 「人民日報」 海外版の日本代理人となっていたことから、しばしば朝日新聞は親中共メディアだと言われてきた。 70年代、中国内外の報道機関に対する言論や報道の自由がない当時の中国において、日本メディアで唯一、朝日新聞だけが特派員を置いていた。

 1970年10月発表の研究座談会 「あすの新聞」 ( 日本新聞協会主催 )の記録によると、当時の広岡知男・朝日新聞社長は現地特派員へ 「こういうことを書けば、国外追放になるということは、おのずから事柄でわかっている。 そういう記事はあえて書く必要は無い」 といった報道の方針を与えていたという。

 広岡氏のこの発言を、専門家は 「中国共産党に都合の悪い真実を封殺することを、会社の経営陣自らが従業員に指示していたという趣旨に受け取ることもできる。 当時の朝日新聞の報道は中国共産党政府寄りであった」 と推測している。

 一方、2008年北京オリンピック開催あたりから、中国政府にとってはネガティブな報道がしばしば、朝日新聞でも見かけられるようになった。 近年、チベット問題とウイグル問題を中心に、中国共産党政府を批判する記事が増えているように見える。

 朝日新聞の中国報道における変化について、同社記者が北京五輪前に発信した記事からその背景をうかがうことができる。 「中国が取材対応マニュアル 外国に積極提供、国内は規制」 と題する記事によると、中国共産党宣伝部は、国内メディアを厳しく規制する一方、西側メディアに対して 「中国の情報自由化への流れ」 を印象づけ、うまく中国の考えをアピールする。 これで外国メディアの中国報道に対する規制の尺度が緩められたという印象を与える。

 朝日新聞の報道には、チベットやウイグル問題など、中国政府を批判する記事が増えてはいるが、しかし一つだけ堅持しているように思われる表現がある。 それは、法輪功に関する話題に言及する際、常に 「中国政府が 『邪教』 とみなす」 と前置きを付けることだ。 また、今回の反日デモのような規模の大きい出来事では、法輪功側の事実確認の取材もしないまま、中国当局に入ったとされる情報をそのまま日本国内に流している。




 「北京オリンピック開催前にも、朝日新聞は中国当局関係者からの情報のみを元にした記事を発表している」 と鶴薗氏は話す。

 2008年6月26日、瀋陽からの同社特派員による記事には、法輪功が国外活動で使用する黄色いTシャツ1万枚が 「日本から中国に運ばれた」 との記述があるが、鶴薗氏によると、この件についても日本法輪大法学会側への情報確認の取材はなかったという。 つまり朝日新聞の特派員が 「( 中国の )東北地方の政府当局者が漏らした」 話のみを記事に採用した可能性が高い。

 「以前、大手テレビ局の記者が北京支局に勤めていたとき、法輪功迫害を取材して北京から東京へ送ったが、報道されなかったそうだ。 これには流したくない事情があるのだろう。 法輪功に関する正しい報道は、日本社会ではまだまだ少ない。 特に、朝日新聞は報道するたびに、中国当局が貼ったレッテルをそのまま使っており、中国共産党政府が法輪功弾圧のために捏造したデマをそのまま日本国内に流している。 真・善・忍を信じるだけで中国で迫害されている人々のことを想うと、心が痛む」 と鶴薗氏は述べた。

 法輪功に関する報道をネット上で調べたところ、確かに朝日新聞の報道では、 「中国政府が 『邪教』 とみなす」 という表現が定着しているようだ。 他社の報道では、 「中国で非合法とされ、弾圧されている気功団体」 が一般的である。

 今回の記事での 「邪教」 という表現について、同記事を執筆した峯村記者は電話の中で、 「私個人の判断ではない。 今まで弊社はそのような表現を使ってきた。 その形を私も踏襲した」 と答えている。 個人の判断ではなく、社の方針であることがうかがえる。

 朝日新聞が頻繁に使用しているこの表現について、最近ニューヨークで閉会したばかりの第65回国連大会で、国連の宗教・信仰自由問題の特派員ハイナー・ビーリフェルド( Heiner Bielefeldt )氏が、中国政府による法輪功愛好者への 「容認しない態度」 や、組織的な迫害について批判した。 また、同特派員は、中国では法輪功などの社会的に弱い立場に立たされた信仰グループがよく 「邪教」 と定義されており、そのため社会的な差別を受けているとも報告し、時には 「( 国家政権 )転覆を陰謀する」 との口実で弾圧を受けると指摘した。

 法輪功弾圧問題に取り組む国際弁護団の代表、国際人権弁護士の朱婉琪氏によると、法輪功は中国のほか世界114の国と地域に広がっており、いかなる国・地域でも合法的であり、中国政府が定義した 「邪教」 の要素は中国以外のどの国・地域でも確認されていない。 「それどころか、これまでに国際社会から1600項目以上の褒賞を受けており、法輪功による社会への貢献を認めるものばかりである」 と同弁護士は説明する。

 法輪功は、1992年に李洪志氏が中国東北で伝え始めた伝統健康法。 心身の向上において速やかな健康維持効果が見られ、中国国内で博大な人気を得て1億人ほどの学習者に発展した。 その人気と共産党イデオロギーに相反する精神性に脅威を感じ、1999年7月から中国共産党当局が弾圧を始めた。 中国憲法にも反するこの弾圧を続けるため、法律から独立した秘密組織 「610弁公室」 を設立し、弾圧を指揮している。

 中国国内での法輪功に対する迫害実情を伝えるサイト 「明慧ネット」 によると、 同組織は対外的に法輪功に対する迫害の真相を覆い隠し、一方では絶えずデマを飛ばしながら、水面下で迫害を推進してきた。 ここ10年来、同組織は祝日や記念日、また大きなイベントに際して、絶えず口実をつくって法輪功を誹謗中傷しているという。